第41回（令和元年度）奨励賞受賞者（令和元年11月23日授与）

氏名	所属機関・職名（受賞対象論文執筆時）	受賞論文
竹野内恵太	早稲田大学文学学術院・助手	「エジプト第2・3王朝時代の石製容器副葬における供物儀礼の実践とその戦略的普及」『オリエント』第61巻2号

授賞理由

氏名	授賞理由
竹野内恵太	本論文は、古代エジプトの当該時期において、これまで碑文資料に偏っていた供物儀礼研究を考古学的資料に基づいて、碑文資料と考古資料双方の比較検討から再考したものである。特に、第2王朝後半における供物リストの定型化と並行するように、そのリスト内容に基づいて、石製容器、銅製容器、そして土器が、セットとして実際に地方墓地に副葬されていたことを明らかにしている。また、当時の支配者たちが、地方社会を儀礼的紐帯関係に取り込むために、中央政府から、これらの石製容器のセットが戦略的媒体として配布されたと結論づけている。一部に推測の域を出ない考察も残されるが、これらの議論は、従来、指摘されてこなかった点であり、かつ儀礼研究が少ない第2・3王朝の研究にとって大きな成果をもたらしたものと高く評価できる。

氏名

授賞理由

竹野内恵太

　本論文は、古代エジプトの当該時期において、これまで碑文資料に偏っていた供物儀礼研究を考古学的資料に基づいて、碑文資料と考古資料双方の比較検討から再考したものである。特に、第2王朝後半における供物リストの定型化と並行するように、そのリスト内容に基づいて、石製容器、銅製容器、そして土器が、セットとして実際に地方墓地に副葬されていたことを明らかにしている。また、当時の支配者たちが、地方社会を儀礼的紐帯関係に取り込むために、中央政府から、これらの石製容器のセットが戦略的媒体として配布されたと結論づけている。一部に推測の域を出ない考察も残されるが、これらの議論は、従来、指摘されてこなかった点であり、かつ儀礼研究が少ない第2・3王朝の研究にとって大きな成果をもたらしたものと高く評価できる。

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